売却を決断するタイミングの難しさ

会社を売却する決断は、多くの苦難を乗り越えてきた経営者の方にとっては並大抵のことではないと思います。職業人としてのご自身の想い、一緒に事業に取り組んできた社員への想い、その社員の将来を考えるととても重い決断となります。

一方、買収側としては、買収により自社の既存事業との相乗効果によるさらなる事業成長を目指すこととなるため、譲渡企業の将来性に投資をすることとなり、そこには大きなリスクも存在することとなります。
このように会社を売却する側と買収する側の考え方、利害のギャップが、売却を決断するタイミングの難しさを生みます。そして、M&Aを成功させるという点で考えれば、良き売却のタイミングは、「今、売るにはまだ惜しい。もう少しがんばればもっと良くなる」と思えるときが良いと言われています。

また、このタイミングは取り巻く経済情勢、経営環境も影響します。ある程度"客観的"な見通しとして、"確実"に事業が伸びていく段階では、確かにもう少し継続することで財務状況も改善し、数年後にはさらに企業価値が高まる可能性は十分あります。

逆に、今後の見通しも不確かな中、過去5~10年間の自社業績を眺めたときに売上・利益が維持もしくは減少傾向であれば、事業を継続することにより自社の価値が棄損する可能性が高くなってしまいます(あくまでも、M&Aを成約させるという視点で見た場合です)。国内の成長が縮小傾向にある中、今後も競争は激化していきます。このような環境にある経営者にとっては、売却を決断することは最も難しい判断になる場合が多いようです。

売却を決断するタイミング

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